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「ダイエットの歴史—みえないコルセット」 海野 弘 著 新書館

この本は、ダイエットの歴史をひもとく、ちょっと真面目な評論です。
著者の海野弘氏は、ファッションや美術、映画や音楽をめぐる評論やエッセイなどを手がける評論家。
本書では、ダイエット」は単に「やせる」「健康」といったことだけではなく、ファッションや文化、スポーツや美術、政治、経済、心理学、栄養学、生理学など幅広い領域と複雑に結びついていることが記されています。
たとえば、ダイエットが大衆化するのは第一次世界大戦下のアメリカにおいて。戦時下の食料不足のなかで「肥っている」ことは「悪」とみなされたとか。
また、女性が社会進出することにより、
それまで豊満で母性的な女性が理想とされていたのが、スリムで活動的な女性が理想とされ、女性の間でダイエットが一般化されていったとか。
既製服の登場で、服に体を合わせるために、ダイエットが流行ったとか…
実はダイエットは、社会的な要因で強要されたもので、
それがいつのまにか痩せたい願望になったり、やめられないダイエットになったようです。
社会から植え付けられる基準に合わせようとするのではなく、
自分のからだに聞きながら、自分のペースでダイエットを考えたい!!と
再認識した1冊でした。
「ダイエットの歴史—みえないコルセット」    海野 弘 著 新書館_c0031486_1546226.jpg
by kuya_nino | 2004-12-07 15:44 | book紹介 | Comments(0)